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私を抱いて…離さないで
第2章 人と金と…
一方的な口約束だったとはいえ、バイト終わりに電話をしなかったから……?
それとも……女の子を持ち帰りして其れ処じゃなく、今になって慌ててそのフォローをしている、とか……

「……」

どっちにしても、もう邪魔されたくない。
留守電に切り替えスマホを仕舞い、何事もなかったかのように顔を突き合わせて駄弁る三人へと足を向ける。

ザッザッザッ……


「……なに?」
「俺らに何か用……?」

明らかに怪訝そうな顔付きで私を睨み上げる、6つの目。
途端に、緊張で心臓が暴れ出す。

「………あの……昨日の、話だけど……」

怯まず、相手の一人を見据えながら口を開けば、その瞳がみるみる吊り上がっていくのが解った。
緊迫した空気。鋭い視線。
嫌な感覚が、腹の底からじわじわ迫り上がっていく。

「AVに、出演……しようと思って……」

震える声。
一瞬──男達の目が見開かれ、数秒の沈黙の後、三人が同時に爆笑する。
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