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私を抱いて…離さないで
第2章 人と金と…
「ブァハハッ……! 何お前、それ真面目に言ってんの?」
「……凄ぇ笑えるんだけど!」
「安藤くんが、泣くぞぉー」
「……」
別に、安藤先輩の事なんて関係ない。
小馬鹿にされても構わない。
出演したお金さえ貰えれば、私はそれでいいんだから。
怠そうに、男達が立ち上がる。
そして短くなった煙草を地面に踏みつけ、ゆらりと私に近付く。
「……それさ、オッサンとホテルに入ったの、安藤にバレたくねぇから……?」
見透かした様な、嫌な目付き。
想像が安直すぎて、不快感しかない。
「………お金が、欲しいから……」
警戒したまま目を逸らさずに答えれば、男の口元が少しだけ緩む。
「ああ、成る程ね」
その目が、僅かに輝きを取り戻しながらも、興味を失せたように逸らされる。
「何で、地味なコイツに安藤が執着してるか、解ったわ」
「………」
「想定外に、堕ちねぇからだ」
一人が、他の二人にそう言ってのける。
すると他の二人もニヤニヤと顔を歪めて笑い、私を上から下から眺め、値踏みする。
「悪ぃけど。俺らは頼まれてやっただけだから」
「……え……」