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私を抱いて…離さないで
第3章 パパ
「……」
なんだろう。……疲れた。
稼げない現実も。価値のない自分も。
安藤先輩の取り巻き達による、陰湿な苛めも。安藤先輩自身も。
私に関わる全てから、少し離れたい。解放されたい。
もっと楽に、息がしたい──
「──!」
突然、携帯が震える。
私を思考の海から引っ張り上げ、現実の世界へと連れ戻す。
我に返った私はポケットから取り出し、光る画面を確認する。
──○×サイトから、一件の新しいメッセージがあります
画面の中央をハイジャックする、新着のお知らせ。
無機質な羅列文字。
期待せずにタップすると、直ぐに出会い系サイトのメッセージ欄に繋がった。
『三、ホ別で』──たったそれだけの、不躾な文字。
それでも三万円という条件は、美味しい方。きっと少し前の私だったら、後先考えずに飛び付いていた。
……だけど、今は違う。たった三万円。紙切れ三枚。