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私を抱いて…離さないで
第3章 パパ
「驚かせてごめんね」
「……いえ……」
何処か嬉しそうな先輩と肩を並べ、大通りを駅へと向かって歩く。
煌々とするネオン。流れる音楽。街に渦巻く喧騒。
往来する車のライトが、私や先輩の姿を明るく映し出しては消えてゆく。
「果穂の店の向かいに、車が一台通れる位の細い道があるじゃん。……ほら、あそこ。そこ入っていった左側に、蒼い壁の小さなレストランバーがあるんだけどね。……俺、そこで時々手伝いさせて貰ってんだよ」
「……」
「知り合いの店でさ。結構お洒落で料理も美味くて。他にも何店舗か、飲み会で知り合った人に紹介して貰って、同じようにやってる。
……俺ね。近い将来、自分の店持つのが夢で。だから、今はその修業というか。学ばせて貰ってる所」
「……」
私とは、全然違う。