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私を抱いて…離さないで
第3章 パパ
先輩は私とは違って、お金を稼ぐ為に働いてる訳じゃない。
私とは違う世界。
目の前にあっても手に入らない、余りにも贅沢な──『普通』。
だからこそ、反応に困る。
凄いと褒めればいいのは解ってるけど、中々それが言い出せない。
「………果穂は?」
「……」
「あの店で、大概遅くまで働いてるよね」
「……」
別に……安藤先輩のような、立派な理由なんかじゃない。
そもそもの次元が違う。
施設出身でもなく、仕送りや奨学金があって、お金にそれ程困っていない人にとっての『働く』は、明日生きられるかどうか、命を繋ぐ為のものではなくて。
安藤先輩のように自分を磨いて、将来を輝かしいものにする為のものなのかもしれない。
私とは違う世界。
目の前にあっても手に入らない、余りにも贅沢な──『普通』。
だからこそ、反応に困る。
凄いと褒めればいいのは解ってるけど、中々それが言い出せない。
「………果穂は?」
「……」
「あの店で、大概遅くまで働いてるよね」
「……」
別に……安藤先輩のような、立派な理由なんかじゃない。
そもそもの次元が違う。
施設出身でもなく、仕送りや奨学金があって、お金にそれ程困っていない人にとっての『働く』は、明日生きられるかどうか、命を繋ぐ為のものではなくて。
安藤先輩のように自分を磨いて、将来を輝かしいものにする為のものなのかもしれない。