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私を抱いて…離さないで
第3章 パパ
まさか、……ね……
そんな訳ないと何度も言い聞かせながら、只の憶測に過ぎないと受け流そうとする。
今までだってこの人は、嫌な言い方をしてきた。
ただ、吐き出された嫌味が、偶然合っていただけ……
〈本当に、ごめんなさい〉
そう打ち込んでから、1文字ずつデリートしていく。
「……」
………疲れた。
こんなやり取り、したくない。
今日はもう、早く帰って眠ってしまいたい。
ガタタン、ガタン……
適度な揺れと振動。
誘われる、程良い眠気。
メッセージを消す親指が止まり、腕の力が抜けて太腿の上に落ちると、暫く動作のない携帯画面のバックライトがやがて消えた。