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私を抱いて…離さないで
第3章 パパ
僅かに振り返り、先生を見上げる。
揶揄って、取り繕ってもいない……真剣な眼──
その視線がぶつかった瞬間──身体を正面に向けられる。そして、先生の右手が顎下に差し込まれ、クイと上に向けられると、間髪を入れずに唇が迫る。
「───!」
押し当てられる、柔らかな熱。
私の唇をこじ開け、歯列を強引に割り開き、奥へ奥へと押し入ってくる舌先。それが咥内を執拗に弄りながら、私のそれを逃すまいかと追い掛け、絡み付く。
逃れようと身体を引けば、それに乗じて菱沼の左腕が私を抱え上げ、テーブルへと座らせる。
バササ……
書類が何枚か、テーブルから滑り落ちる。
間近でぶつかる視線──私を下から覗き込む菱沼の眼が、私の心をも見透かす。
「断る理由は、ないだろう……?」
「……」
……本気だ。
試すのに、あんなキスなんか……しない……
「──はい」