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私を抱いて…離さないで
第3章 パパ
目を伏せ、申し訳なさそうな表情の琉偉が、スッと私に顔を寄せる。

「果穂ちゃんは、美麗さんのランク知ってる?
──今、№5。アフターの予約も埋まる程、スゲェ人気なんだよ。
なのに……いつも安いセット料金だけっていうのは、美麗さんに失礼だと思わない?」

「──!」

片手をソファに付き、もう片方の手で口元を隠しながら耳先でそう囁く。
ふわりと香る、ローズの華やかな匂い。だけど、その言葉には棘しかなくて。

『いつも』──それは、この店で私は細客として有名だって証。
いたたまれなくなり、肩を丸めて俯く。

「……俺、まだ新人でバカだから言っちゃったけどさ。……これは、果穂ちゃんの為でもあるからね。
だって果穂ちゃんは、美麗さんがテッペンに立った姿、見たいと思うっしょ?」
「……」

それは、確かに。
……確かに思ってる……けど……

膝の上に置いた、バックの持ち手をギュッと握り締める。

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