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私を抱いて…離さないで
第1章 初恋の人

* * *
援交をしようかと思い始めた日から、気付けば一週間が経っていた。
相変わらず私は、あと一歩を踏み出せないままでいる。
大学のキャンパスを抜け駅へと向かう道すがら、スカートのポケットに収まっていたスマホが震えた。
取り出して画面を見れば、そこに表示されていたのは──『美麗』。
次来た時、指名する──そう約束した時に、連絡先を交換したのを思い出した。
息を飲み、緊張から震えてしまう指で、画面をタップする。
「………はい、」
「あ、もしもし。果穂ちゃん?」
鼓膜を震わす、祐輔くんの声──
……ドクン、ドクン
一瞬で、熱くなる身体。
呼吸が浅くなり、スマホを握る指先が痺れて……
「元気?………あ、泣いてない?大丈夫?」
「……はは。大丈夫」
人懐っこい、元気な声。
少しだけ鼻に掛かったこの声が──好き。
何とか声を絞り出して反応を返せば、電話の向こうで祐輔くんも笑った。
「いきなり電話してゴメンね。今、大丈夫?」
「……うん」
「良かった。……えっと、さ。
ちょっと、聞いていい?」
ガヤガヤしている。
人通りの多い場所にいるのかな。
「………うん」
「この前来てくれた時、さ。
……俺を指名してくれるって、言ったじゃん。………あれ、まだ有効?」
「え……」
驚いて、思わず聞き返してしまった。
援交をしようかと思い始めた日から、気付けば一週間が経っていた。
相変わらず私は、あと一歩を踏み出せないままでいる。
大学のキャンパスを抜け駅へと向かう道すがら、スカートのポケットに収まっていたスマホが震えた。
取り出して画面を見れば、そこに表示されていたのは──『美麗』。
次来た時、指名する──そう約束した時に、連絡先を交換したのを思い出した。
息を飲み、緊張から震えてしまう指で、画面をタップする。
「………はい、」
「あ、もしもし。果穂ちゃん?」
鼓膜を震わす、祐輔くんの声──
……ドクン、ドクン
一瞬で、熱くなる身体。
呼吸が浅くなり、スマホを握る指先が痺れて……
「元気?………あ、泣いてない?大丈夫?」
「……はは。大丈夫」
人懐っこい、元気な声。
少しだけ鼻に掛かったこの声が──好き。
何とか声を絞り出して反応を返せば、電話の向こうで祐輔くんも笑った。
「いきなり電話してゴメンね。今、大丈夫?」
「……うん」
「良かった。……えっと、さ。
ちょっと、聞いていい?」
ガヤガヤしている。
人通りの多い場所にいるのかな。
「………うん」
「この前来てくれた時、さ。
……俺を指名してくれるって、言ったじゃん。………あれ、まだ有効?」
「え……」
驚いて、思わず聞き返してしまった。

