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私を抱いて…離さないで
第3章 パパ
『………そっか。解った』
「……」
『でも、心配だから、終わったら連絡して』
「………はい」

此方に身体を向け、携帯を耳に当てている先輩が、私に向かって再び手を振る。
きっと……悪びれる様子も無く、爽やかな笑顔を浮かべているんだろう。

視線を逸らし、耳から携帯を離す。
画面には、既に『通話終了』の文字。

「……」

……どうして、あんな事言うんだろう……
先輩には、腕を組んで歩くような女性がいるのに。
美人で可愛い取り巻きの女の子達だって、いるのに。

画面をオフにし、携帯を仕舞う。
前を向けば、暇をもてあます店長がコーヒー片手に携帯を見ていた。

「……」

私が誰と何をしていようと……先輩には、関係ない。
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