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私を抱いて…離さないで
第3章 パパ

それは、大学内のカフェにあるベーカリーで購入したものなんだろう。香水の臭いと混ざり合うように、バターの香ばしい匂いがふわりと漂う。
「……んー。想像してたのと違うなぁ」
取り出したクロワッサンを一口食べ、女性が独りごちる。
「あー、残念!」
「……」
「……ねぇ、この辺に美味しいクロワッサンのある店、知ってる?」
「………え」
何の躊躇もなく、目を輝かせて身を乗り出してくる女性。まるで、色んな壁を乗り越えて仲良くなった、長年の友人みたい。……何の関係もないのに。
「将生がさぁ、ここのクロワッサン美味いよって教えてくれて。……あっ、美味しいよ!? 美味しいんだけどね。私が求めてたのと、ちょっと違うんだよねぇ」
「……」
「つーか。えーっと……果穂ちゃん、だっけ? 昨日、なんで将生に連絡しなかったの?」
「……」
バサッと、瞬きをする度に分厚くて長い睫毛が羽ばたき、カラコン入りの蒼い瞳が、クロワッサンから私へと移る。
「……んー。想像してたのと違うなぁ」
取り出したクロワッサンを一口食べ、女性が独りごちる。
「あー、残念!」
「……」
「……ねぇ、この辺に美味しいクロワッサンのある店、知ってる?」
「………え」
何の躊躇もなく、目を輝かせて身を乗り出してくる女性。まるで、色んな壁を乗り越えて仲良くなった、長年の友人みたい。……何の関係もないのに。
「将生がさぁ、ここのクロワッサン美味いよって教えてくれて。……あっ、美味しいよ!? 美味しいんだけどね。私が求めてたのと、ちょっと違うんだよねぇ」
「……」
「つーか。えーっと……果穂ちゃん、だっけ? 昨日、なんで将生に連絡しなかったの?」
「……」
バサッと、瞬きをする度に分厚くて長い睫毛が羽ばたき、カラコン入りの蒼い瞳が、クロワッサンから私へと移る。

