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私を抱いて…離さないで
第3章 パパ

コンコン……
テーブルをノックする音がして、顔を上げる。

「……ンじゃー、果穂ちゃん。まったねぇ!」
「……」

屈託のない明るい笑顔を向け、手を振る凛々子。それに、どう応対したらいいのか解らない。
あらゆる壁を取っ払われ、スッと懐に入ってくるこの感覚──彼女を纏う強いオーラに圧倒されつつも、その人懐っこい雰囲気に、つい……気を許してしまいそうになる。
心の柔らかい所まで、全て曝け出したら……いけないのに。

「……」

不安で、胸が苦しい。
視線を下げて俯く。
施設に入ったばかりの頃、当時カーストトップだった女子高生達は、同室になった私を敵視し、攻撃してきた。
心を開こうとしていた私に。

大丈夫……
もし、陥れる為だったとしても……平気。
あの頃の、何も出来ない小さな子供じゃない。
……私はもう、大学生なんだから。

俯いたまま更に肩を丸め、左手で胸元のシャツをキュッと掴む。


高いヒールを鳴らしながら、凛々子が石原と肩を並べて食堂から出て行く。
その音が聞こえなくなっても、中々顔を上げる事が出来なかった。


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