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私を抱いて…離さないで
第3章 パパ


「……」

先生、違うよ……
……安藤先輩は、適任なんかじゃない。

そもそも、付き合ってなんて……


離れた熱を追い掛け上体を起こすと、ベッドから足を下ろして背を向けた先生の腕に触れる。


だから、今──

見離さないでよ、先生………


「……」

振り返った先生が、少し寂しそうに口角を持ち上げる。
私を見つめる二つの瞳。……でもそこに、もう劣情は含んでいない。

「……今日は、これで終わりにしよう」

片手をベッドに付き、上体を捩って私の方へと身体を向けた先生が、もう片方の手を伸ばして私の横髪を指で梳く。

「……でも」
「無理、しなくていい……」

優しい瞳。
大学にいる時とは全然違う。
近寄りがたい雰囲気を醸し出し、生徒との間に一線を引くような冷徹な眼をしているのに。
こうして私といる時は……酷く、優しい。

梳いた手が後頭部へとまわり、半ば強引に先生の領域へと引き込まれる。

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