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私を抱いて…離さないで
第3章 パパ

* * *
ラブホテルを出て、大通りとは反対の方へと進んだ先にある、小さな居酒屋。
少し寂れたテナントビルの一階にあるそこは、一見何処にでもありそうな店構えで、これといって何の特徴も感じない。
その店のドアを、躊躇なく先生が開ける。
ガヤガヤ……
ワッハッハ キャハハ……
その瞬間から溢れる、人々の活気や熱気。
外見からは想像できない程の、煌びやかな照明。アジアンテイスト漂う内装と家具、飾られたインテリアのひとつひとつが、異国情緒に溢れている。
隣接した席との間仕切りは、上から吊した薄い布や:簾(すだれ)を利用。視界が完全に遮断されていないせいか、圧迫感もなく広々と感じる。
「……いらっしゃいませ!」
直ぐにやってきた明るい女性店員に、席を案内される。
店の奥にある大座敷の手前。通路を挟んだ壁際に位置した二人掛け用のテーブル席は、まるで取って付けたよう。

