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私を抱いて…離さないで
第3章 パパ
「……」
どう、して……
頭から、サッと血の気が引く。
悪寒が走り、指先から感覚が無くなっていく。
一瞬……何が起きたのか解らない。
どうしてここに、安藤先輩が……
ふと脳裏を過ったのは、いつかのバイト終わりでの帰り道。
『……ほら、あそこ。そこ入っていった左側に、蒼い壁の小さなレストランバーがあるんだけどね。……俺、そこで時々手伝いさせて貰ってんだよ』
『知り合いの店でさ。結構お洒落で料理も美味くて。他にも何店舗か、飲み会で知り合った人に紹介して貰って、同じようにやってる』
『……俺ね。近い将来、自分の店持つのが夢で。だから、今はその修業というか。学ばせて貰ってる所』
「……」
……でも。
その店のひとつが、まさか……ここ、だったなんて……
目を逸らせず、瞬きもできないままでいれば……伝票を持つ手を下げ、先輩がスッと立ち上がる。
「何で、菱沼と一緒にいんの……?」
私を見下ろす、少し尖った眼。その顔には、既に営業スマイルは無い。
何時になく真剣で、何時になく……怖い。
どう、して……
頭から、サッと血の気が引く。
悪寒が走り、指先から感覚が無くなっていく。
一瞬……何が起きたのか解らない。
どうしてここに、安藤先輩が……
ふと脳裏を過ったのは、いつかのバイト終わりでの帰り道。
『……ほら、あそこ。そこ入っていった左側に、蒼い壁の小さなレストランバーがあるんだけどね。……俺、そこで時々手伝いさせて貰ってんだよ』
『知り合いの店でさ。結構お洒落で料理も美味くて。他にも何店舗か、飲み会で知り合った人に紹介して貰って、同じようにやってる』
『……俺ね。近い将来、自分の店持つのが夢で。だから、今はその修業というか。学ばせて貰ってる所』
「……」
……でも。
その店のひとつが、まさか……ここ、だったなんて……
目を逸らせず、瞬きもできないままでいれば……伝票を持つ手を下げ、先輩がスッと立ち上がる。
「何で、菱沼と一緒にいんの……?」
私を見下ろす、少し尖った眼。その顔には、既に営業スマイルは無い。
何時になく真剣で、何時になく……怖い。