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私を抱いて…離さないで
第3章 パパ
「中絶手術で、引っ掻き取られた時、ナカが傷が付いたから、って言ってたけど。病院でちゃんと中絶手術を受けたのは、最初の一回だけ。後は全て……闇医者」
「……え」
「通常中絶手術は、相手男性の同意書がないと、出来ないんだよ。
真面目で通していたから、親に頼む訳にもいかなかったんだろう」
「……」
それまで、ナマが危険だって事は、知識としてちゃんとあった。それを解った上で、何度かゴム無しで性交してしまってた。
本名も住所も解らない相手と。
菱沼先生と。
その間に、もし妊娠してしまったとしたら──その先の現実を、きちんと想像できてなかった……
「聞いたときは、ショックだったよ。
金の為に、そこまでしてしまうんだなって思ったら。悔しくて。
……だからね、あの時、鼻の下伸ばしたあのオッサンに、凄くムカついた」
「……」
……それで。
あの時、軽蔑した眼で睨みつけて。
小さく舌打ちまでして……