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私を抱いて…離さないで
第1章 初恋の人

* * *
「……来てくれて、ありがとう」
煌びやかな世界。
日常とは違う、夢のような空間。
ピシッとした黒服が席から席へと移動し、捌くように人気ホストを誘導していく。
女王様になった気でいる若い女性やマダム。新人らしいホストが、四苦八苦しながら笑顔で場を盛り上げている。
異様な熱気と妖しい空気。
溶けてしまいそうな程、眩い照明。
稼いだ五万円を握り締め、初めて一人でホストクラブの門をくぐった。
着る服なんて、何でも構わない。髪も化粧も、どうでもいい。……兎に角、早く祐輔くんに会いたかった。
早く、このお金を祐輔くんの為に、使いたかった──
「……あの……お酒とか、何頼めばいい……?」
「あ、いいって! 果穂ちゃん学生でしょ? 全然大丈夫。無理しないで!」
隣に座る祐輔……美麗が、この上ない程の笑顔を私に見せる。
相変わらず、優しい。
人が良いというか……
……だから、好きになったんだけど……
「……でも、」
「こうして会いに来てくれただけで、充分嬉しいからさ!」
「………」
嬉しい──その言葉に胸がキュンとする。
「……来てくれて、ありがとう」
煌びやかな世界。
日常とは違う、夢のような空間。
ピシッとした黒服が席から席へと移動し、捌くように人気ホストを誘導していく。
女王様になった気でいる若い女性やマダム。新人らしいホストが、四苦八苦しながら笑顔で場を盛り上げている。
異様な熱気と妖しい空気。
溶けてしまいそうな程、眩い照明。
稼いだ五万円を握り締め、初めて一人でホストクラブの門をくぐった。
着る服なんて、何でも構わない。髪も化粧も、どうでもいい。……兎に角、早く祐輔くんに会いたかった。
早く、このお金を祐輔くんの為に、使いたかった──
「……あの……お酒とか、何頼めばいい……?」
「あ、いいって! 果穂ちゃん学生でしょ? 全然大丈夫。無理しないで!」
隣に座る祐輔……美麗が、この上ない程の笑顔を私に見せる。
相変わらず、優しい。
人が良いというか……
……だから、好きになったんだけど……
「……でも、」
「こうして会いに来てくれただけで、充分嬉しいからさ!」
「………」
嬉しい──その言葉に胸がキュンとする。

