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私を抱いて…離さないで
第1章 初恋の人

手を伸ばし、画面を開く。
″新着あり″
アプリからのお知らせが、画面の真ん中を占領している。それをタップすれば、ダイレクトメッセの画面が表示された。
《二、ホ別でどう?》
いきなりの売春交渉に、咄嗟に片手で画面を隠す。
恐らく誰も覗いたりなんかしないだろうけれど、バレたら……という不安がそうさせていた。
二は、二万円。
ホ別は、ホテル代別。……つまり、ホテル代は相手持ち。
こういう暗号みたいなのは、多くのメッセを貰ううちに何となく学習した。
そして、二万円が相場より高い事も。
「……」
周りを見回した後、もう一度画面を覗く。慌てて隠した時に、誤操作してしまったのか。自分のプロフィール画面が表示されていた。
そのPR文の中に『処女』という文字。
〈すみません。……もう、処女ではないんです〉
直ぐに返信する。
もしかしたら、処女を求めていたかもしれないから。
誤魔化さずにきちんと伝えるのは、トラブル防止の為。
断られる可能性は大きい。
だけど、別にいい。──お金ならまだ余ってるし、バイト代も入ったばかりだし。
そんな負け惜しみをしてしまうけれど……本当は、少しでも祐輔くんに貢げるお金が欲しい。
軽く溜め息をつき、スマホを置こうとする。……と。
ブッブッ……
返信を知らせるバイブ。
《いいよ、別に。ヤらせてくれるなら》
″新着あり″
アプリからのお知らせが、画面の真ん中を占領している。それをタップすれば、ダイレクトメッセの画面が表示された。
《二、ホ別でどう?》
いきなりの売春交渉に、咄嗟に片手で画面を隠す。
恐らく誰も覗いたりなんかしないだろうけれど、バレたら……という不安がそうさせていた。
二は、二万円。
ホ別は、ホテル代別。……つまり、ホテル代は相手持ち。
こういう暗号みたいなのは、多くのメッセを貰ううちに何となく学習した。
そして、二万円が相場より高い事も。
「……」
周りを見回した後、もう一度画面を覗く。慌てて隠した時に、誤操作してしまったのか。自分のプロフィール画面が表示されていた。
そのPR文の中に『処女』という文字。
〈すみません。……もう、処女ではないんです〉
直ぐに返信する。
もしかしたら、処女を求めていたかもしれないから。
誤魔化さずにきちんと伝えるのは、トラブル防止の為。
断られる可能性は大きい。
だけど、別にいい。──お金ならまだ余ってるし、バイト代も入ったばかりだし。
そんな負け惜しみをしてしまうけれど……本当は、少しでも祐輔くんに貢げるお金が欲しい。
軽く溜め息をつき、スマホを置こうとする。……と。
ブッブッ……
返信を知らせるバイブ。
《いいよ、別に。ヤらせてくれるなら》

