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私を抱いて…離さないで
第1章 初恋の人
直ぐに返ってくるメッセ。
返信文を打とうとすると、続け様にメッセが届く。

《金額に不満があれば、もっと出すから。……今から、したいんだけど。いい?》

「……」

出すって、どれくらいなんだろう。
先程とは違う感情が沸き上がる。何ともいえない高揚感。
プロフィール画像は、冴えない顔。加えて処女じゃない。──こんな私に、一体どれだけ出してくれるんだろう……

〈どれくらい、出して頂けますか?〉

そこに、自分の価値があるような気がした。
自分を売り物にして、提示される金額でその価値を計るのは間違ってる。そう、頭では解ってはいるけれど。
……緊張して、手が震える。


〈じゃあ、三でどう? ……あ、でもプレイの無理強いはしないから、そこは安心して〉

「……」

三万……
処女じゃない私に、そんなに出してくれるなんて……

一体、どんな人なんだろう……

何となくの興味。
操作をして、相手のプロフィール画面を開く。
HN、はかせ。30代。痩せ型。眼鏡男子。
清潔感のある笑顔の写真からは、女を買うようなタイプには到底思えない。

……何となく引っ掛かる。
もしかしたら、拾い画像かもしれない。
でも……相手がどんな容姿だろうと、別に構わない。
お金さえ、貰えるなら。

〈……はい。待ち合わせ場所、教えてください〉

そう送信した後、パタンとノートを閉じた。

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