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私を抱いて…離さないで
第1章 初恋の人
厭らしい息を吐き、男が私の足を解放する。と直ぐ、取り憑かれた様に首筋に顔を埋め、バスローブの上から手のひらで柔らかな膨らみを覆った。

「──!」

瞬間───手足が震える。
契約違反。だけどそれを咎められる程の精神力は無くて……

「柔らかくて、摑み心地がいい。」

何度か揉みしだいた後、バスローブの合わせ目から、指先をそっと忍ばせてくる。

……きっと、拒否したら喜ぶ。そうじゃなくても、触る気でいる。
もしこの男が、抑え込む為のレイプ欲求を買春で解放しているなら、わざわざ獲物にシャワーなんか浴びさせない。……そういうプレイがしたいと伝えるか、そのままベッドに押し倒す筈。

会った瞬間から……男の視線に感じていた嫌悪感は──
最初から、それを企んでたって事……


「……止めて、下さい」


努めて冷静に、その手に手を重ねて制す。

「触れない約束、ですよね」
「………」

無感情のまま、静かに言った。
その瞬間、膣内を犯す男の怒張が緩んだ気がした。

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