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私を抱いて…離さないで
第1章 初恋の人
「……なんか、雰囲気違うね」
卓に付くなり、祐輔くんが目を丸くした。
「今日の果穂ちゃん、可愛い」
「……え」
普段言われ慣れてないせいか、カァッと顔が熱くなるのが解った。
そんな私を、祐輔くんか上目遣いでじっと見つめてくる。
──ドクンッ
否応なしに心臓が跳ね上がり、どうしていいか解らなくて……つい視線を外してしまう。
「……そ、そういう、美麗くんだって……」
苦し紛れに出た声は、少しだけ裏返って。揺れた視線を慌てて彼の頭に向ければ、それに気付いた祐輔くんが視線の先に片手を伸ばす。
「あー、これね。……俺、そんなに可愛い?」
「……うん」
それは、もう。
想像以上に……可愛い。
黒髪と同じ色のもふもふしたそれは、幼さが残る顔の祐輔くんに、凄く似合ってる。
フロアにいるホスト全員が付けている、猫耳カチューシャ。
中には付けさせられてる感じで、違和感しかないホストも見かけたけど……でも、それぞれのホストに付いた女性客は、いつもより歓喜の声を上げている、気がする。