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私を抱いて…離さないで
第1章 初恋の人
* * *
「……君、いくら……?」
それは、大学帰りに起こった。
駅構内を歩いていると、背後からそう男に声を掛けられた。
それまで、出会い系サイトで知り合った人との交渉の中でしか、聞いた事のない台詞。
もしかしたら聞き間違いかも……そう思ったけど、確かめずにはいられなかった。
立ち止まって振り返れば、すぐ背後にいるスーツ姿の男性と目が合った。やっぱり、気のせいじゃない。
……まさか、ナンパ……?
それはそれで、初めての事だし。少しは有頂天な気分にもなる。
普段から口紅を付ける様になってから、私の中でずっと、昂ぶりが消えない……
「……えっと、」
「君、ウリやってる娘だよね」
「………」
「よくここで、待ち合わせとかしてるの見てるよ」
二十代後半から三十代前半位の、清潔感漂う男性。その爽やかな笑顔から、こんな台詞が飛び出しているなんて、近くを行き交う人達は想像もしないだろう。
「……君、いくら……?」
それは、大学帰りに起こった。
駅構内を歩いていると、背後からそう男に声を掛けられた。
それまで、出会い系サイトで知り合った人との交渉の中でしか、聞いた事のない台詞。
もしかしたら聞き間違いかも……そう思ったけど、確かめずにはいられなかった。
立ち止まって振り返れば、すぐ背後にいるスーツ姿の男性と目が合った。やっぱり、気のせいじゃない。
……まさか、ナンパ……?
それはそれで、初めての事だし。少しは有頂天な気分にもなる。
普段から口紅を付ける様になってから、私の中でずっと、昂ぶりが消えない……
「……えっと、」
「君、ウリやってる娘だよね」
「………」
「よくここで、待ち合わせとかしてるの見てるよ」
二十代後半から三十代前半位の、清潔感漂う男性。その爽やかな笑顔から、こんな台詞が飛び出しているなんて、近くを行き交う人達は想像もしないだろう。