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私を抱いて…離さないで
第1章 初恋の人
駅裏のホテル。
グレードの落ちる、安っぽい外観。
高い金額を提示してくる割りには、ホテルにはお金を掛けたくない……らしい。
内装も家具も時代を感じる。辛気臭い感じ。
お風呂も、今までに比べると狭いし、古くて安いビジネスホテル並みに劣る。
何だか、凄く嫌な気分。
普通のカップルだったらきっと、興醒めしてセックスどころじゃないかも……
「……」
言葉なんて、ない。
ただベッドに沈められて、愛撫もそこそこに挿れられる。
ギシギシと僅かにベッドの軋む音。
今までの相手と比べれば、若いし顔も身体もいい方だとは思う。……けど、終始私を突き刺す様なこの視線は……
「そんなに、気持ち良くない……?」
「……え……」
「そんなんで、よくウリやれてるね」
──ズンッ
わざとらしく、深く腰を打ち付けてくる。
「こっちは金払うんだからさ。演技でも何でも、少しは善がったらどうなの」
「……」
それは、そうかもしれない。
でも……
「声、出ないの……?」
「……」
「じゃあ、出せるように、手伝ってやろうか……?」
「──!」