この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
私を抱いて…離さないで
第1章 初恋の人

「……」

動けなかった。
何が起こってるのか、暫く受け入れられなかった。
こういう事態を、今までも想像しなかった訳じゃない。だから、万全では無いものの、行為の後は用心してきたつもり。
……だったけど……


椅子の上に置かれた、バッグ。
視界にぼんやりと映り、その私物にゆっくりと近付く。
ファスナーを開け、携帯と財布、学生証がある事に酷くホッとし、胸を撫で下ろす。
しかし、ふと不安に駆られ、慌てて財布を開いた。

「──!」

抜かれて、る……
紙幣を仕舞う場所が、空っぽ──

「……」

あんな事を、されて……
その上、お金まで……

膝がカクンと折れ、絨毯の上にペタンとお尻をつく。
全身の力が抜け落ち、財布を持った手がだらんと下がる。

もう、……何も考えられない。
極悪非道な男の遣り口に、もう、色んな感情を通り越していた。
……魂が何処かへ飛んでいって、抜け殻にでもなったよう。

「……」

通常よりも瞼を大きく押し上げ、何処か一点を見つめたまま。

──その場から暫く、動けそうになかった。


/252ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ