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第1章 初恋の人

「まぁでも。美麗の太客には変わりねぇよなぁ。……あー、何だっけ。大学生の……」
「……果穂ちゃん？」
「そうそう。あーいう金落とさねぇ細客は、早めに手ぇ打っとけよ。
キャバでもソープでも、上手い事沈めて金作らせるか、見切るか。どっちかにしとけ」
「……」
「お前、ここで天下取りたいんだろ？」


″会いに来てくれただけで、充分嬉しいからさ！″


脳内に蘇る、祐輔くんの優しい笑顔と声。


「………そうですね。考えておきます」


ザァーッ……

雨に混じって、美麗の淡々とした返事が聞こえる。
その声は酷く冷めていて、感情の無い音声のようで……とても祐輔くんのものとは、思えなかった。