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兄の帰還 壁越しに聞こえる妻の嬌声
第1章 兄の帰還
本当に誰もいないのか?

僕は、一旦、琴美の股間から口を離すと、兄のために開けてある扉の隙間に目をやった。

いた!

兄は息をこらし、じっとこちらを見ている。下半身は裸だった。大きな逸物が天を仰ぐようにそそり立っている。兄は、ソレを握りしめていた。

僕と目が合うと、兄は恥ずかしそうに苦笑いしながら、僕に向かって親指を立てた。

兄さん……。

僕は、兄にそんな高校生のような真似をさせて済まないと思った。でも、他にどうすることもできない。いま僕にできることと言えば、琴美の一番美しい姿を見せてあげることだけだ。

兄に琴美の股間がよく見えるように、身体の位置をずらした。指を使って、琴美の割れ目を広げてあげる。

兄さん、見えるかい? むかし兄さんが愛したところだよ。

僕は、中指を一本立てると、口に含み、唾液をたっぷりまぶしてから、ゆっくりと琴美の身体の中に沈めていった。

ほら入っていくよ、兄さん。覚えてるかい、ここの感触。柔らかく締め付けてくるこの感触……。

根元まで全部入った。指先に奥の硬いところが触れている。それを押して上げると、

「ああっ」

琴美が気持ちよさそうな声を上げた。ここは琴美が好きな性感帯だ。

琴美の反応を確かめると、僕は指を本格的に動かし始めた。

クチュ、クチュ、クチュ……。

粘り付くような卑猥な音が漏れてくる。

「あん、あん、あん……」

頭の上の方から琴美が上げる艶めかしい喘ぎ声も聞こえてきた。

二つの淫音が重なり、甘美なハーモニーを奏でる。いやが上でも牡の本能が刺激された。

どうだい、兄さん!

見ると、兄は目を血走らせながら、股間のモノを勢いよくしごいていた。

兄さん……。

異様な興奮が僕の身体を襲ってきた。
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