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BL短篇集
第2章 Coffee break2
「斉藤先生!?」

俺は自分の目を疑った。

何故、自分が捕まえている人が、

目の前にいる人が、

焦がれて止まない人なんだ!?

もしかして、あまりに斉藤先生のことを考え過ぎた結果の妄想の産物なのか!?
それとも俺の話を聞いた斉藤先生が悪戯をした、とか…?

「なんで…?本物…?」

動揺しきった俺に斉藤先生は哀しそうに微笑んで、

「本物ですよ。ずっと、沖先生を痴漢してたのは僕です」

と、俺の目を見て言った。それから、

「軽蔑しますか?」

と言った。

「あ…!!」

先程の保健室でのやり取りを思い出す。『軽蔑すべきは痴漢だ』と斉藤先生は言った。

「…なんでこんなこと…」

俺は斉藤先生の問いには答えられなかった。

「好きなんです。沖先生」

「え!?」

「のお尻が。」

「え!?尻…?」

「初めて見た時からずっと好きでした。形とか、筋肉の張り具合とか」

「初めて…?」

「沖先生が赴任した時から。初めて壇上で挨拶したあの時からです」

そうだ、確かに教師になってから、だ。

「ずっと、触れているだけで満足でした。それ以上を望まなかった訳ではないけれど、同じ学校の教師という立場でそれ以上を望む、ということがどういうことかは僕にも分かってますから」

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