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BL短篇集
第7章 クリスマス・イヴ
「・・・行ったぜ」
オッサンが完全に視界から消えたので、おれは息を殺しておれの腰にしがみついている男に声をかける。
「助かった。ありがとう」
そう言いながら男はようやくおれのコートから出てきた。
「・・・」
その男の姿を見ておれは絶句した。
不審者だ。
真っ赤な衣装に身を包み、胡散臭い白髭をつけている。
「オッサン!ふしッムグッ・・・!!」
「ななな何叫ぼうとしてるの!僕は不審者じゃないよ!見て!どう見てもサンタクロースでしょ!」
自称サンタクロースは慌てておれの口を塞ぐ。
「ッングーッ!!」
おれは力の限りで男の手を振りほどいた。
「どう見ても不審者以外ねえよ!なんなんだよ!!」
「だからサンタクロースだってば。ほら」
そういうと男は持っていた白い袋からガラクタを取り出す。
「なんだこりゃ。ゴミか?」
「ゴミじゃないよ!!僕が作ったおもちゃだよ!」
「いやいやいや、あんた、これを配って歩ってんの?今時誰も喜ばねえよ。こんなアナログなおもちゃじゃ」
「!!!」
男は衝撃的な顔をしている。
「・・・いや、まじで?」
逆にこっちがビックリなんですけど。
「そうだよね。昔は歓迎されたのに、今じゃ不審者扱いだもんね。時代は変わったんだよね。僕だけが、変われないでいるのかな」
「いや、まあ、そうだな、今って物騒な事件が多いし。あんたのせじゃないよ」
って、何慰めてんの、おれ。
でも、この赤い格好にしょぼくれた顔は似合わない。
それに、・・・
「なあ、おまえがほんとにサンタクロースだって言うなら、おれにプレゼントくれよ」
サンタクロースの頬に手を当てる。
お互い、冷たい。
「あ」
耳に引っ掛けている髭を付けていたゴムを外すと、驚いたままの表情のサンタクロースの顔がはっきりみえる。
うん、問題ない。
おれはそのままサンタクロースに口付ける。
「…いいだろ?おまえの、 くれよ。」
目を丸くしたまま、時間が止まってしまっているサンタクロースの腕を引いて、おれはそこの安っぽいラブホテルに入る。
安っぽいくせに、そこそこ客が入っているのが笑える。
オッサンが完全に視界から消えたので、おれは息を殺しておれの腰にしがみついている男に声をかける。
「助かった。ありがとう」
そう言いながら男はようやくおれのコートから出てきた。
「・・・」
その男の姿を見ておれは絶句した。
不審者だ。
真っ赤な衣装に身を包み、胡散臭い白髭をつけている。
「オッサン!ふしッムグッ・・・!!」
「ななな何叫ぼうとしてるの!僕は不審者じゃないよ!見て!どう見てもサンタクロースでしょ!」
自称サンタクロースは慌てておれの口を塞ぐ。
「ッングーッ!!」
おれは力の限りで男の手を振りほどいた。
「どう見ても不審者以外ねえよ!なんなんだよ!!」
「だからサンタクロースだってば。ほら」
そういうと男は持っていた白い袋からガラクタを取り出す。
「なんだこりゃ。ゴミか?」
「ゴミじゃないよ!!僕が作ったおもちゃだよ!」
「いやいやいや、あんた、これを配って歩ってんの?今時誰も喜ばねえよ。こんなアナログなおもちゃじゃ」
「!!!」
男は衝撃的な顔をしている。
「・・・いや、まじで?」
逆にこっちがビックリなんですけど。
「そうだよね。昔は歓迎されたのに、今じゃ不審者扱いだもんね。時代は変わったんだよね。僕だけが、変われないでいるのかな」
「いや、まあ、そうだな、今って物騒な事件が多いし。あんたのせじゃないよ」
って、何慰めてんの、おれ。
でも、この赤い格好にしょぼくれた顔は似合わない。
それに、・・・
「なあ、おまえがほんとにサンタクロースだって言うなら、おれにプレゼントくれよ」
サンタクロースの頬に手を当てる。
お互い、冷たい。
「あ」
耳に引っ掛けている髭を付けていたゴムを外すと、驚いたままの表情のサンタクロースの顔がはっきりみえる。
うん、問題ない。
おれはそのままサンタクロースに口付ける。
「…いいだろ?おまえの、 くれよ。」
目を丸くしたまま、時間が止まってしまっているサンタクロースの腕を引いて、おれはそこの安っぽいラブホテルに入る。
安っぽいくせに、そこそこ客が入っているのが笑える。