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BL短篇集
第7章 クリスマス・イヴ
部屋へ入ると、おれはサンタクロースの腕を離し、コートを脱ぐ。

コートだけじゃない。

全部だ。

あいつにボタンを外してもらおうと思っていたから、ワイシャツにした。
だけど、手がかじかんでうまく外せない。
「クソッ」
おれは舌打ちした。
「!?」
そこで、ようやくサンタクロースは状況を理解したらしい。
「ままま、待って、君、男の子、だよね?ぼくも男だよ!」
「・・・」
そのセリフに今度はおれが目を丸くした。
「わかってる。あんたが勃たないなら、エロビかけてやるし、部屋も暗くしてやるよ。女だと思って突っ込んでいいよ。ローション使えば穴なんかに大差はねえよ」
「!!
そうじゃないだろ!君と僕はさっき出会ったばっかりで、いきなりこんなことしちゃダメだろ!!」

「・・・ブッ」

ふざけた赤いカッコした奴が、真剣な顔して、まともなコト言うからおれは思わず吹いてしまった。

「な、なんで笑うの!?」
「いーじゃねーか。サンタクロースってのは、見ず知らずのガキにプレゼント配ってやるんだろ?
それって、”博愛”ってやつだろ?」
おれは、サンタクロースに詰め寄るように顔を近づける。

「その“愛”をおれに少しだけ分けてくれればいいんだよ。“玩具(モノ)”か、“肉体(カラダ)”か。違いはそれだけだ」
そう言うと、おれはサンタクロースの首に腕を回し、少しだけ背伸びをして再び唇を重ねた。

今度は、深く、 艶かしく。

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