この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
彼の世界は官能で出来ている。
第9章 好きとか嫌いとか
「うわ!上原――――待った?」
待ち合わせの場所に行くと、嘉良くんが私の姿を見つけて駆け寄ってきた。
“待った?”なんて――――…王道デートのセリフを聞いたの何年ぶりだろう…なんて考えてしまった。
「あ――――…いや、待ってないよ」
「上原、今日はいつもと違うね!あ…スカートだ!似合うよ、スカート!」
「///そ、そうかな?あ…ありがとう」
久しぶりに履いたスカートに恥ずかしさを感じるが“デート”と、言われてしまうと…意識してしまうのは…しょうがない!
「そうだ――――…最近、末広先生を上原の近くで見かけないけど…なんかあった?」
「うっぐっっ!」
せっかく…気合いを入れて瑛斗のことは考えないようにしていたのに、嘉良くんはそんな事お構いなしに…心配そうに私の顔を覗く。