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彼の世界は官能で出来ている。
第9章 好きとか嫌いとか
しかし、自分で言って…ちょっと落ち込んだ。
「そっか…上原はそう思っているのなら俺にはチャンスなのかな?」
「ん?――――嘉良くん…何か言った?」
少し聞き取りにくく首をかしげると嘉良くんは「なんでもないよ」と、はぐらかした。
「さ~て、今日は初めてのデートだ!楽しもう」
「デートって、一応って感じだね」
嘉良くんに手を引かれ私は照れながらも後について歩いた。
「デート…久しぶり」
「卒業してから、こういうのなかったの?彼氏は?」
残念な事に…今の今まで浮かれた話は無かった。
「へへへ…なんか――――…色々タイミングを逃したと言うか…出会いが無かったと言うか…」