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彼の世界は官能で出来ている。
第2章 彼の名は
「な…なんで――――そう、思うんですか?」
私はゆっくり顔をあげ…その整いすぎている顔を…見たくないが見た。
「先生の名前を聞いて――――久しぶりに懐かしく思い…昔の資料を広げたんだ…
そしたら――――…先生のネタノートの中に挟まれていた写真がでてきて…」
鞄から手帳を出すと…そこに挟まれていた写真をテーブルの上に出した。
「これ――――貴女ですよね?」
それは…幼い頃の――――と、言っても10歳ぐらいの私と近所の小説家“月睦 梛無”先生が一緒に写っている写真だった。
――――懐かしい!?
「あ――――…昔…実家の近くに住んでいた小説家の先生です。
どんな作品を書いていたか知りませんが、よく遊びに行っていました……
つ~か、よくこれが私だって分かりましたね…写真よりだいぶ大人になりましたよ?」
私は写真を見せられ観念し話したが、よく10年以上前の私が分かったものだ。
「面影が――――…それに…そんなに成長していない気がする…」
――――くそ!イケメンじゃなかったら殴ってた!!