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彼の世界は官能で出来ている。
第13章 巨匠の娘、レジェンドの弟子
不味い豚汁を食べながら涙する娘に「無理して食べるな…百々子」と、父さんは首を横に振る。
「え!?泣くほど不味いの?」
お母さんは慌てて私から豚汁を取り上げる!
「いや――――違うの…違うの…」
私は止めたくても止まらない涙を…両親の前で再び流してしまった。
そんな情緒不安定な娘を目の前に、お母さんとお父さんは目を見合わせる。
「百々子――――…何かあったの?就職…って訳じゃないんでしょ?」
「父さんも母さんも話ぐらい聞くぞ?言えないことか?」
私の隣に座ったお母さんがお父さんに持っていた豚汁を渡し…背中を撫でてくれた。
「大丈夫――――…豚汁はお父さんが食べるって」
――――お母さん…鬼ですか?