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彼の世界は官能で出来ている。
第13章 巨匠の娘、レジェンドの弟子
「乙女の…乙女の命でもある髪を…手放したいほどの…恋…
凄まじい恋をしてきたのね…百々子ちゃんも大人になったのね…」
――――いや…そんな大それた恋ではない気がすが…
しかし、何をどうしたのか…おばちゃんは私の恋を“とてつもなく凄い恋愛”と思ったらしく…
勝手に自分の中で盛り上がり涙を流していた!
と、ふと床屋の本棚に視線を向けると――――…
何となく…その号泣の理由が分かった……
「おばちゃん――――…今さら…韓国ドラマの【冬のソナタ】にハマってる?」
「ん?――――あ~…そう、そうなの!すれ違う二人のぎこちない距離が…たまんない!この前から、立川のおばあちゃんに進められて観てるんだけど……失恋って聞くと…涙が…」
――――【冬ソナ】流れで泣いてたの?