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彼の世界は官能で出来ている。
第2章 彼の名は
「――――私は今…スランプらしく…。月睦先生のような、心も体も濡れるような…甘美な文章が書けなくなっている!
もし、君が――――この【幼蜜シリーズ】の桃ちゃんなら!
私にも何かしらの影響を与えてくれるのでは!?と、思っている!」
「――――え?言っている意味が…」
すると、整った顔を私にズズッと近づけ!鼻息を荒くする!
「私にインスピレーションを!!」
そう言うと、頭を下げた!
――――だから!なんで!?
「こらこら、焦る気持ちは分かるけど…いきなり言われた彼女だって戸惑ってしまうよ?瑛斗――――少し落ち着いて?」
「落ち着いてられません!このままだと――――官能小説家“水無月 睦”が…消えてしまう…」
彼は悔しそうにテーブルの上の小説を掴むと…それを抱き締めた。