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彼の世界は官能で出来ている。
第2章 彼の名は

マスターが外で話をしている彼を見ながらため息をついた。
なんか…イライラしながら話している彼を見ると…少し可愛そうになる。
「すまない――――…急用が…百々子さん…申し訳ないが…今日はここで!
協力の件、考えておいてほしい!」
――――え!?おいおい!!
「あ――――…それと、私は月睦先生の弟子なので、小説家と知り合いの方を見つけて喜ぶ低俗ファンではないからな!そこは誤解しないように!
サイン欲しさに実家まで押し掛けるほど常識の無い人間だと思うな!
だいたい…先生のプライベートのネタノートを持っている時点でファンじゃないことぐらい想像できただろ?」
――――はあ!?む…ムカつく!!
ちょっと、誤解していただけじゃない!?訂正の勢いがハンパないなぁ!
「こ、こら――――瑛斗!そう言うあげ足を取る言い方やめなさいって!」
「――――すまん、一応…気になったので」
――――気になるな!
「では、仕事に――――戻ります」
彼はとてつもなく嫌な顔をして店を出ていった。
スランプねぇ…
不本意な仕事って、力仕事とか?
あの成りで工事現場とか…切ないなぁ~…

