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彼の世界は官能で出来ている。
第3章 表現の海

もちろん…周りの女性人の目はギラギラしている…


それもそのはず、


前回の服装も似合っていたが、今回はイケメンが更に目立つスーツだ。



「上原先輩、あのイケメン…どっかで見たことあるなぁ~って思ってたら、雑誌に出てたの思い出したっす!

ほら、あの“ヤッツン”ですよ!今話題のミステリー小説【ビショップ】の原作者です!」



――――は?【ビショップ】?



北沢君のテンションが今までに無いくらい上がっているのは分かるが…



「え?!まさか――――…【ビショップ】知らないっすか?あの【ビショップ】ですよ!?

来年には、ハリウッドで実写化か!?って、言われている、あの【ビショップ】ですよ!?」



――――そんなに連呼しなくても…



しかし、その【ビショップ】と言う作品…本屋で大々的に宣伝していたことを思い出す。


「本屋さんで…見かけたことはあるけど…内容までは…」


「マジっすか?読んだ方が良いっすよ!

俺、原作のファンだったこともあるんですけど…ハリウッドで映画化って…!凄くないですか!?」



まだ、噂段階なのに…テンション上がりすぎでは?と、彼の鼻息の荒さに苦言を指したくなるが…


彼の目指しているところは、実はそんなところではない事を知っている私としては…


その【ビショップ】とやらの小説が可愛そうでならない。


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