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彼の世界は官能で出来ている。
第3章 表現の海

その後、瑛斗は昼を食べ店を出ていった。


もちろん、店を出た瞬間にタイミングをはかっていた客がいたが今回は笑顔で断り喫茶店のある方へと歩いていった。


「――――上原先輩、“ヤッツン”と知り合いなんですか?ほら、封筒忘れてたのあの人ですもんね?「知らない仲でもない」的な事を言ってたので」


「あ~…共通の知人がいて…良くは知らないけど」


嘘はついていないので、今回はこんな感じで逃げることにした。


しかし、


知れば知るほど…“ヤッツン”とこ末広 八は有名人で、検索するとすぐにヒットする。しかも、Wikipediaにプロフィールがあり作品の数々は当たり前だが、出身大学や身長体重まで細かく書かれていた。


だが――――…官能小説家“月睦 娜無”に弟子入りしたことや、自身も官能小説家である事、“水無月 睦”と言う名前であることなどは何処にも書かれていなかった。



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