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彼の世界は官能で出来ている。
第3章 表現の海

「はあ…行きたくない…」


私は約束してしまった事を強く後悔していた。


二度と会わないはずだったが――――…こうもアッサリ会う事となるなんて…


バイトを終えた私は…再び裏路地のひっそりと営業している喫茶店へと向かった。


そして、すぐに【サブレ】の看板が見えてきた。


珈琲とサブレが美味しい店を目指して【サブレ】と命名された喫茶店らしい。



私は恐る恐る喫茶店の扉を開く。



「いらっしゃ――――…あ~百々ちゃんいらっしゃい」



――――名前…覚えられてる!?



流石、客商売―――と、言いたいが…関わりたくないなぁ…と、思っている私としては、ありがた迷惑である。



「百々子さん、こちらへ」


“待ってました!”と、言わんばかりに私を席へと急かす彼につられて席に着いてしまう!


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