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彼の世界は官能で出来ている。
第4章 歯痒い才能
「いらっしゃ…おや?瑛斗、百々ちゃんいらっしゃい!」
「マスター、奥を借りるぞ!」
瑛斗は入るなり奥のテーブル席へとズカズカと入っていく!
マスターも慣れたもんなのか「はいよ~」と、軽い返事をして珈琲の準備を始める。
「百々子!何日も会いに行けず申し訳なかった!」
――――いや、会う約束とかしてないよね?私たち!?
つ~か!呼び捨て?呼び捨てかよ!!
「君と話していたらどんどんインスピレーションが沸いて!言葉が溢れて来て、止まらなかった!やっぱり――――君は、あの桃ちゃんだと確信したよ!」
「いや、違うから、絶対違うから!!」
何故か、前のめりでグイグイくる瑛斗は、心なしかやつれていて…目の下にもクマが出ていた。
「さぁ、読んでくれ――――!ここ何日も寝ずに書き上げた“水無月 睦”の官能小説を!」
――――やっぱりかぁ!