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恋する真珠
第1章 海と真珠
「…ねえ、澄佳さん。
涼ちゃんには付き合っているひとはいる?」
恐る恐る聞いてみる。
澄佳はう〜んとほっそりとした白く美しい首を傾げた。
「今はいないんじゃないかしら…」
「…今?
…涼ちゃんてモテる?」
「…そうねえ…。
ぶっきらぼうだし口は悪いけれど、働き者だし何より優しいしね…。
困ったときには必ず手を差し伸べてくれるようなひとだから…。
モテるかもしれないわね」
どこかしみじみとした口調だった。
「…それにすっごいイケメンだもん。
そりゃモテるよね…」
再び肩を落とす瑠璃子に、慰めるような諭すような言葉が掛けられる。
「…瑠璃ちゃん。
涼ちゃんはとっくに大人なの。
瑠璃ちゃんが生まれたときにはもう今の貴方より年上だったのよ。
…私の知らないところで多分何人ものひととお付き合いしてきただろうし…今ももしかしたら好きなひとはいるかも知れないわ」
「…え…」
瑠璃子の長い睫毛が震える。
「…それに…もし、瑠璃ちゃんと涼ちゃんが今お付き合いすることになったら、私は賛成できないわ。
私は瑠璃ちゃんをこの家で預かっている以上、責任があるの。
瑠璃ちゃんのお母様と柊司さんにご心配をおかけするようなことは見過ごせないわ。
…もちろんそれを涼ちゃんはきちんとわかっていると思う」
柔らかく…しかしきっぱりと断言され、返す言葉がなかった。
澄佳の言うことはもっともだ。
多分とても正しい。
…でも…この心のときめきと切なさと…何よりも涼太への熱い恋慕の想いはどうしたら良いのだろうか…。
瑠璃子は初めての苦しくもどこか甘やかな悩みに囚われるのだった。
涼ちゃんには付き合っているひとはいる?」
恐る恐る聞いてみる。
澄佳はう〜んとほっそりとした白く美しい首を傾げた。
「今はいないんじゃないかしら…」
「…今?
…涼ちゃんてモテる?」
「…そうねえ…。
ぶっきらぼうだし口は悪いけれど、働き者だし何より優しいしね…。
困ったときには必ず手を差し伸べてくれるようなひとだから…。
モテるかもしれないわね」
どこかしみじみとした口調だった。
「…それにすっごいイケメンだもん。
そりゃモテるよね…」
再び肩を落とす瑠璃子に、慰めるような諭すような言葉が掛けられる。
「…瑠璃ちゃん。
涼ちゃんはとっくに大人なの。
瑠璃ちゃんが生まれたときにはもう今の貴方より年上だったのよ。
…私の知らないところで多分何人ものひととお付き合いしてきただろうし…今ももしかしたら好きなひとはいるかも知れないわ」
「…え…」
瑠璃子の長い睫毛が震える。
「…それに…もし、瑠璃ちゃんと涼ちゃんが今お付き合いすることになったら、私は賛成できないわ。
私は瑠璃ちゃんをこの家で預かっている以上、責任があるの。
瑠璃ちゃんのお母様と柊司さんにご心配をおかけするようなことは見過ごせないわ。
…もちろんそれを涼ちゃんはきちんとわかっていると思う」
柔らかく…しかしきっぱりと断言され、返す言葉がなかった。
澄佳の言うことはもっともだ。
多分とても正しい。
…でも…この心のときめきと切なさと…何よりも涼太への熱い恋慕の想いはどうしたら良いのだろうか…。
瑠璃子は初めての苦しくもどこか甘やかな悩みに囚われるのだった。