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恋する真珠
第1章 海と真珠
「…お前はまだ子どもだ。
だから圏外なんだ」
瑠璃子は唇を尖らせた。
「もう十四歳だよ。
東京の友達の中には、彼氏がいる子もいたよ」
「お前はまだ子どもだ。
好きな男の背中でわんわん泣くような子どもだ。
足を挫いて無防備に男におぶわれても警戒心もなく平気でいられる子どもだからだよ」
「そんなこと…!…ないもん…」
「お前みたいにとびきり綺麗な女の子が、男におんぶされても何の危機感も抱かない子どもだから圏外なんだよ」
涼太の凛とした…けれど穏やかな声が鼓膜に響いた。
「…え…」
…不意に…自分が涼太の背中にその身体すべてを委ねている事実に初めて気付く。
…膨らみ始めた小さな乳房も…そして、薄い未成熟な下腹部も…。
焼け付くような羞恥心が身体中を駆け巡り、瑠璃子は抱えられているか細い両脚をきゅっと縮めた。
「子どもはこれからいろんなことを経験して、大人にならなきゃならねえ…。
…広い世界を見て、いろんなひとに出会って…それから恋をして…」
「私はもう恋したもん!
涼ちゃんがいいんだよ!」
…一瞬だけ涼太の動きが止まり…また、すぐにざくざくと歩き出す。
「…先のことは誰にも分からねえよ。
お前の前には限りない未来が広がっているんだ。
今から決めつけんな」
きっぱりとした言葉は、取り付く島もなかった。
だから圏外なんだ」
瑠璃子は唇を尖らせた。
「もう十四歳だよ。
東京の友達の中には、彼氏がいる子もいたよ」
「お前はまだ子どもだ。
好きな男の背中でわんわん泣くような子どもだ。
足を挫いて無防備に男におぶわれても警戒心もなく平気でいられる子どもだからだよ」
「そんなこと…!…ないもん…」
「お前みたいにとびきり綺麗な女の子が、男におんぶされても何の危機感も抱かない子どもだから圏外なんだよ」
涼太の凛とした…けれど穏やかな声が鼓膜に響いた。
「…え…」
…不意に…自分が涼太の背中にその身体すべてを委ねている事実に初めて気付く。
…膨らみ始めた小さな乳房も…そして、薄い未成熟な下腹部も…。
焼け付くような羞恥心が身体中を駆け巡り、瑠璃子は抱えられているか細い両脚をきゅっと縮めた。
「子どもはこれからいろんなことを経験して、大人にならなきゃならねえ…。
…広い世界を見て、いろんなひとに出会って…それから恋をして…」
「私はもう恋したもん!
涼ちゃんがいいんだよ!」
…一瞬だけ涼太の動きが止まり…また、すぐにざくざくと歩き出す。
「…先のことは誰にも分からねえよ。
お前の前には限りない未来が広がっているんだ。
今から決めつけんな」
きっぱりとした言葉は、取り付く島もなかった。