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恋する真珠
第1章 海と真珠
フェリーが久里浜港を出航し、ほどなくすると遠くに外国船籍の巨大客船の灯りがぽつりぽつりと見えてきた。
瑠璃子はデッキに出て、夜の幻想的な大海原を見渡した。

…あれから半年か…。
ふっとため息を吐く。

その後、涼太との関係は何の進展もない。
…変わったことは…。
瑠璃子のバレエ教室の帰りに必ず金谷港まで迎えに来てくれるようになったことくらいだろうか…。

瑠璃子は転校と同時に、横須賀のバレエ教室に通い始めた。
金谷港から横須賀まではフェリーで一本だ。
40分ほどで着く。
最初は木更津のバレエ教室を見学したのだが、その主宰の教師が高齢のため、愛弟子が開いている横須賀のバレエ教室を紹介されたのだ。

「横須賀まではフェリーで行けるし、教室は港のすぐ側なのよ。
ここ、木更津より通いやすいと思うわ。
まだ新しいお教室だから馴染みやすいと思うのよ」
教師の親切な助言に従い、横須賀のバレエ教室を見学したところ、教室はまだ立ち上げたばかりで生徒は少人数であった。
教師の浅川は若く、かつてロイヤルバレエ学校に留学したこともあるRADシステムを体得した指導熱心でありつつも、生徒一人一人に眼を配る優しい人物であった。

瑠璃子の踊りを見て
「とても筋が良いわね。瑠璃子ちゃんは音感も優れているわ。
ぜひみんなと一緒に楽しくお稽古しましょう」
と積極的に受け入れてくれた。

入院期間中バレエと離れていたのでブランクがある。
不安だった瑠璃子に浅川は
「瑠璃子ちゃんの身体は踊りたがっているわよ。
無理せず少しずつ勘を取り戻して行きましょう。
年末の発表会にも参加して欲しいわ」
そう声をかけてくれた。

他の生徒はバレエを始めたばかりのビギナーが多く、小学生が多かった。
瑠璃子は遠くから通うこともあり、開始時間が遅い大人クラスに混じってレッスンを受けることになった。

生徒は若いOL達や主婦達ばかりなので、瑠璃子を妹や娘のように可愛がってくれた。
「瑠璃子ちゃんが入ってくれてこのクラスのレベルが上がったわよねえ!ラッキー!」
「瑠璃ちゃん、ここのステップ教えて!」
明るく和気藹々とした雰囲気はかつて通っていたコンクールクラスでピリピリしていたバレエ教室とは異なり、瑠璃子は初めて無邪気に踊る楽しさを感じたのだった。

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