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恋する真珠
第1章 海と真珠
瑠璃子の大きな瞳が驚きに見開かれる。
「君に恋している。
自分でも呆れるくらいに、君に夢中だ。
君とフェリーで会えることだけを楽しみにこの一か月を過ごしてきた。
…情けないようだけど、本心だ」
眼差しと声からは切実さと切なさが滲む。
そのあまりの真剣さと熱量にたじろぎ後退る。
「…財前さん…」
財前が懇願するように、言葉を重ねた。
「怖がらないで聞いてほしい。何もしないから。
…僕は君をフェリーで見かけてからずっと惹かれていた。
…甲板で一人踊る君は、奇跡のように美しかった。
月明かりに、君の人形のように綺麗な貌や白く長い手足が照らし出されて…現実のこととは思えなかった。
君は信じられないくらいに清らかで犯し難いほどに美しくて…僕は生まれて初めて、感動のあまりに言葉を失った。
君の美しさの前では言葉はあまりにも無力だ思いと知らされたんだ」
「…財前さん…」
男に愛を告白されたことなど初めての経験で、瑠璃子はなす術もなく立ち竦む。
そんな瑠璃子の前に、突然財前は片膝を付いて跪いた。
、瑠璃子の長いフレアスカートの裾を手に取り押し戴くように頰に当てた。
「ちょっ…!ざ、財前さん⁈」
「君が涼太さんに恋をしていて、愛していることは百も承知だ。
けれど僕が君に恋し続けることを許して欲しい。
僕が君が十八歳になるまで、愛し続けることを許して欲しい。
そして、君が大人になったらプロポーズする権利を僕に残しておいて欲しい」
…長い脚で跪き、スカートを頰に押し当て愛を掻き口説く財前は、まるでバレエ・ジゼルのアルブレヒトのように情熱的だ。
そこにはいやらしい欲望ではなく、純粋な愛の告白そのものに見えて、瑠璃子は嫌悪感よりも衝撃を覚えた。
だから、スカートを振り払うことは出来ずに、息を呑む。
「君に恋している。
自分でも呆れるくらいに、君に夢中だ。
君とフェリーで会えることだけを楽しみにこの一か月を過ごしてきた。
…情けないようだけど、本心だ」
眼差しと声からは切実さと切なさが滲む。
そのあまりの真剣さと熱量にたじろぎ後退る。
「…財前さん…」
財前が懇願するように、言葉を重ねた。
「怖がらないで聞いてほしい。何もしないから。
…僕は君をフェリーで見かけてからずっと惹かれていた。
…甲板で一人踊る君は、奇跡のように美しかった。
月明かりに、君の人形のように綺麗な貌や白く長い手足が照らし出されて…現実のこととは思えなかった。
君は信じられないくらいに清らかで犯し難いほどに美しくて…僕は生まれて初めて、感動のあまりに言葉を失った。
君の美しさの前では言葉はあまりにも無力だ思いと知らされたんだ」
「…財前さん…」
男に愛を告白されたことなど初めての経験で、瑠璃子はなす術もなく立ち竦む。
そんな瑠璃子の前に、突然財前は片膝を付いて跪いた。
、瑠璃子の長いフレアスカートの裾を手に取り押し戴くように頰に当てた。
「ちょっ…!ざ、財前さん⁈」
「君が涼太さんに恋をしていて、愛していることは百も承知だ。
けれど僕が君に恋し続けることを許して欲しい。
僕が君が十八歳になるまで、愛し続けることを許して欲しい。
そして、君が大人になったらプロポーズする権利を僕に残しておいて欲しい」
…長い脚で跪き、スカートを頰に押し当て愛を掻き口説く財前は、まるでバレエ・ジゼルのアルブレヒトのように情熱的だ。
そこにはいやらしい欲望ではなく、純粋な愛の告白そのものに見えて、瑠璃子は嫌悪感よりも衝撃を覚えた。
だから、スカートを振り払うことは出来ずに、息を呑む。