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恋する真珠
第1章 海と真珠
その週末、瑠璃子は夏実と澄佳の店でお昼ごはんを食べていた。
近所に住む夏実は、週末の昼はよく瑠璃子と澄佳の店でお昼を食べるのだ。
そうして部活の話や、夏実の大好きなアイドルの話や…他愛ない話に花を咲かせるのが二人の楽しみでもあった。
「瑠璃ちゃん、最近何かあったん?」
アジフライ定食をぺろりと平らげ、今は食後のデザートのパンプキンパイを美味しそうに頬張りながら、夏実が不思議そうに尋ねた。
「え?どうして?」
瑠璃子はアップルパイだ。
澄佳の手作りデザートはどれも頬っぺたが落ちるほどに美味しい。
…しかし、夏実の言葉にフォークが思わず止まる。
「だって、最近様子が変なやもん」
のんびりとおおらかな性格の夏実だが、人の感情の機微には敏感だ。
「なんだか元気がないっていうか…たまにぼ〜っとしたりしてさ」
「…う、うん…」
夏実がカウンターの中にいる澄佳に聞こえぬように声を潜めた。
「…涼ちゃん?何かあったん?」
「…涼ちゃん…ていうか…」
言い淀んでいると、察しの良い夏実は好奇心に溢れた表情で更に尋ねた。
「…もしかして…フェリーの王子様?
何かあったん?」
…財前のことを、夏実はそう呼んでいた。
以前、金谷港に漁師の父親を迎えに来ていた夏実が偶然、瑠璃子と一緒に親しげにフェリーから降りてきた財前を見かけたのだ。
…「ちょっと!あの吉沢亮似のイケメン誰⁈
瑠璃ちゃん、ナンパされたん?」
翌日、大騒ぎして問い詰められたので仕方なく大まかに経緯を説明したのだった。
近所に住む夏実は、週末の昼はよく瑠璃子と澄佳の店でお昼を食べるのだ。
そうして部活の話や、夏実の大好きなアイドルの話や…他愛ない話に花を咲かせるのが二人の楽しみでもあった。
「瑠璃ちゃん、最近何かあったん?」
アジフライ定食をぺろりと平らげ、今は食後のデザートのパンプキンパイを美味しそうに頬張りながら、夏実が不思議そうに尋ねた。
「え?どうして?」
瑠璃子はアップルパイだ。
澄佳の手作りデザートはどれも頬っぺたが落ちるほどに美味しい。
…しかし、夏実の言葉にフォークが思わず止まる。
「だって、最近様子が変なやもん」
のんびりとおおらかな性格の夏実だが、人の感情の機微には敏感だ。
「なんだか元気がないっていうか…たまにぼ〜っとしたりしてさ」
「…う、うん…」
夏実がカウンターの中にいる澄佳に聞こえぬように声を潜めた。
「…涼ちゃん?何かあったん?」
「…涼ちゃん…ていうか…」
言い淀んでいると、察しの良い夏実は好奇心に溢れた表情で更に尋ねた。
「…もしかして…フェリーの王子様?
何かあったん?」
…財前のことを、夏実はそう呼んでいた。
以前、金谷港に漁師の父親を迎えに来ていた夏実が偶然、瑠璃子と一緒に親しげにフェリーから降りてきた財前を見かけたのだ。
…「ちょっと!あの吉沢亮似のイケメン誰⁈
瑠璃ちゃん、ナンパされたん?」
翌日、大騒ぎして問い詰められたので仕方なく大まかに経緯を説明したのだった。