この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
恋する真珠
第1章 海と真珠
「瑠璃子!しっかりしろ!息しろ、息!」
近くの浜に引き上げられた瑠璃子は涼太に抱かれたまま、軽く頰を叩かれる。
「瑠璃子!瑠璃子!」
気を失っている瑠璃子はぐったりとして、呼吸も僅かであった。
「瑠璃ちゃん!しっかりして!」
澄佳が泣き出しながら声をかける。
夏実はおろおろするばかりだ。
「救急車を呼んで来ます!」
行きかける財前は、はっと眼を見張った。
「瑠璃子!」
涼太が瑠璃子の細く白い顎を掴み、その形の良い薄紅の唇を開かせると自分の唇を合わせ、力強く息を吹き込み始めた。
…何度も…何度も…。
涼太の口から瑠璃子へと温かく新鮮な吐息が吹き込まれる。
…ブロンズ色の肌の屈強な逞しい男が、透き通るように色白の肌の稀有に美しい少女に口づけするような光景…。
それはさながら、難破した船に乗っていた高貴な姫君を助けた雄々しい海賊の長のようなどこかお伽話めいたものであった。
白い裾の長いワンピースを着た瑠璃子は、まるで海岸に打ち上げられた美しい人魚姫のようでもあった。
…そんな瑠璃子を掻き抱く涼太は、荒々しい中にも優雅な野蛮さと言ってもいいような成熟した逞しい男の色香を醸し出してさえいたのだ。
…まだ未熟な自分には到底持ち得ない確固たる男の自信と眩しいような男の雄々しさ…。
財前はこんな非常時に、思わずその美しい二人に見惚れた。
…瑠璃子の白磁のような頰に、次第に血の気が差してきた。
「…瑠璃子…」
涼太が必死に…愛おしむかのように唇を合わせ、空気を送り込む。
「…んっ…」
瑠璃子の濡れた唇から微かな呻き声が漏れた。
涼太が唇を合わせる度に、瑠璃子の華奢な身体が少しずつ柔らかさを取り戻し始める。
そんな瑠璃子を涼太は筋肉質の逞しい腕にしっかりと抱き、そのほっそりした身体を摩る。
…まるで恋人たちが情熱的な口づけを交わしているかのような光景を、財前は嫉妬することも忘れて見つめ続けていた。
近くの浜に引き上げられた瑠璃子は涼太に抱かれたまま、軽く頰を叩かれる。
「瑠璃子!瑠璃子!」
気を失っている瑠璃子はぐったりとして、呼吸も僅かであった。
「瑠璃ちゃん!しっかりして!」
澄佳が泣き出しながら声をかける。
夏実はおろおろするばかりだ。
「救急車を呼んで来ます!」
行きかける財前は、はっと眼を見張った。
「瑠璃子!」
涼太が瑠璃子の細く白い顎を掴み、その形の良い薄紅の唇を開かせると自分の唇を合わせ、力強く息を吹き込み始めた。
…何度も…何度も…。
涼太の口から瑠璃子へと温かく新鮮な吐息が吹き込まれる。
…ブロンズ色の肌の屈強な逞しい男が、透き通るように色白の肌の稀有に美しい少女に口づけするような光景…。
それはさながら、難破した船に乗っていた高貴な姫君を助けた雄々しい海賊の長のようなどこかお伽話めいたものであった。
白い裾の長いワンピースを着た瑠璃子は、まるで海岸に打ち上げられた美しい人魚姫のようでもあった。
…そんな瑠璃子を掻き抱く涼太は、荒々しい中にも優雅な野蛮さと言ってもいいような成熟した逞しい男の色香を醸し出してさえいたのだ。
…まだ未熟な自分には到底持ち得ない確固たる男の自信と眩しいような男の雄々しさ…。
財前はこんな非常時に、思わずその美しい二人に見惚れた。
…瑠璃子の白磁のような頰に、次第に血の気が差してきた。
「…瑠璃子…」
涼太が必死に…愛おしむかのように唇を合わせ、空気を送り込む。
「…んっ…」
瑠璃子の濡れた唇から微かな呻き声が漏れた。
涼太が唇を合わせる度に、瑠璃子の華奢な身体が少しずつ柔らかさを取り戻し始める。
そんな瑠璃子を涼太は筋肉質の逞しい腕にしっかりと抱き、そのほっそりした身体を摩る。
…まるで恋人たちが情熱的な口づけを交わしているかのような光景を、財前は嫉妬することも忘れて見つめ続けていた。