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恋する真珠
第1章 海と真珠
「あら、涼ちゃん。いらっしゃい」
澄佳の朗らかな声に、涼太がちらりとこちらを見遣る。
「瑠璃子ちゃんとはもう港で会ったわよね?」
澄佳の問いかけに瑠璃子は緊張のあまりこくこく頷いた。
涼太はぼそりと
「ああ…」
無愛想に呟き、メニュー表を見るなり
「A定食」
と言った。
瑠璃子は弾かれたように立ち上がり、小さく叫んだ。
「澄佳さん。私が持ってゆく!」
厨房に駆け込み、澄佳の料理の盛り付けを手伝う。
A定食は瑠璃子と同じ鰈の煮付けだ。
そんな些細なことも嬉しい。
ご飯をよそい、小鉢に胡瓜とわかめとしらすの酢の物、蕨と油揚げの煮物を盛り付け、お椀に豆腐となめこの味噌汁を注ぐ。
お盆に載せ緊張しながら、窓際の席に座る涼太の元に届ける。
「おまたせしました。A定食です」
涼太はちらりと瑠璃子を見上げると
「…サンキュ」
ぼそりと呟いた。
箸を取り上げて食べ始めようとする涼太に、瑠璃子は意を決して話しかけた。
「あの…!一緒に食べていいですか?」
涼太が箸を止め、ゆっくりと瑠璃子を見上げた。
澄佳の朗らかな声に、涼太がちらりとこちらを見遣る。
「瑠璃子ちゃんとはもう港で会ったわよね?」
澄佳の問いかけに瑠璃子は緊張のあまりこくこく頷いた。
涼太はぼそりと
「ああ…」
無愛想に呟き、メニュー表を見るなり
「A定食」
と言った。
瑠璃子は弾かれたように立ち上がり、小さく叫んだ。
「澄佳さん。私が持ってゆく!」
厨房に駆け込み、澄佳の料理の盛り付けを手伝う。
A定食は瑠璃子と同じ鰈の煮付けだ。
そんな些細なことも嬉しい。
ご飯をよそい、小鉢に胡瓜とわかめとしらすの酢の物、蕨と油揚げの煮物を盛り付け、お椀に豆腐となめこの味噌汁を注ぐ。
お盆に載せ緊張しながら、窓際の席に座る涼太の元に届ける。
「おまたせしました。A定食です」
涼太はちらりと瑠璃子を見上げると
「…サンキュ」
ぼそりと呟いた。
箸を取り上げて食べ始めようとする涼太に、瑠璃子は意を決して話しかけた。
「あの…!一緒に食べていいですか?」
涼太が箸を止め、ゆっくりと瑠璃子を見上げた。