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恋する真珠
第2章 恋するカナリア
…瑠璃子の部屋の上…改築されたロフト部屋は柊司と澄佳の夫婦の部屋である。
廊下を渡り、階段に差し掛かったとき…階上のその部屋から微かな声が聞こえた。
思わず脚が止まる。
…それが何を意図しているのか、分からないほどに瑠璃子は無知ではない。
「…ああ…っ…」
…澄佳の秘めやかな声は、まるで蜜に塗れたかのように甘く濡れていた。
瑠璃子は息を呑み、その場を離れようと背を向けた。
「…んんっ…は…ああ…ん…」
…甘い愉悦に満ちた澄佳の声は尚も続く…。
…聞いてはいけない。
早く、この場を立ち去らなくては…。
頭では分かっているのに、脚が凍りついたかのように動かない。
「…いや…あ…っ…ん…そんな…むり…」
澄佳の啜り啼く声は、その熱く薫り立つ肌の温度すら伝えるかのようだ。
「…澄佳…綺麗だ…。
もっと…脚を開いて…僕をもっと受け入れて…」
…兄、柊司の声も普段の穏やかな紳士なそれとはまるで違っていた。
淫靡な色香に溢れた夜の声であった。
瑠璃子はばくばくと音を立てる胸を自ら強く抱く。
…ここにいてはだめだ…。
部屋に…戻らなきゃ…。
必死で自分に言い聞かせる。
…けれど…。
視線はいつしか、階上を仰いでしまう。
「…んんっ…や…あぁ…い…いい…っ…」
…澄佳のその声は、熟れた果実のような淫らな艶を帯びていた。
…そうして…。
白く華奢な手は、かじかみながら手摺りを握りしめる。
…瑠璃子は音を立てないように、静かに階段を登り始めた。
廊下を渡り、階段に差し掛かったとき…階上のその部屋から微かな声が聞こえた。
思わず脚が止まる。
…それが何を意図しているのか、分からないほどに瑠璃子は無知ではない。
「…ああ…っ…」
…澄佳の秘めやかな声は、まるで蜜に塗れたかのように甘く濡れていた。
瑠璃子は息を呑み、その場を離れようと背を向けた。
「…んんっ…は…ああ…ん…」
…甘い愉悦に満ちた澄佳の声は尚も続く…。
…聞いてはいけない。
早く、この場を立ち去らなくては…。
頭では分かっているのに、脚が凍りついたかのように動かない。
「…いや…あ…っ…ん…そんな…むり…」
澄佳の啜り啼く声は、その熱く薫り立つ肌の温度すら伝えるかのようだ。
「…澄佳…綺麗だ…。
もっと…脚を開いて…僕をもっと受け入れて…」
…兄、柊司の声も普段の穏やかな紳士なそれとはまるで違っていた。
淫靡な色香に溢れた夜の声であった。
瑠璃子はばくばくと音を立てる胸を自ら強く抱く。
…ここにいてはだめだ…。
部屋に…戻らなきゃ…。
必死で自分に言い聞かせる。
…けれど…。
視線はいつしか、階上を仰いでしまう。
「…んんっ…や…あぁ…い…いい…っ…」
…澄佳のその声は、熟れた果実のような淫らな艶を帯びていた。
…そうして…。
白く華奢な手は、かじかみながら手摺りを握りしめる。
…瑠璃子は音を立てないように、静かに階段を登り始めた。