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恋する真珠
第2章 恋するカナリア
「…君を愛している。
あれから三年経ったけれど、未だに君以上に心惹かれるひとには出逢えない。
何人かの女性とお付き合いしたけれど、すぐに虚しくなって別れてしまったよ。
…君みたいに見ているだけで心のすべてが奪われてしまうような…美しくてきらきらしていて…それでいて激しくて…そんなひとに、出逢えなかったんだ」
「……」
財前がうっとりしたような表情で、瑠璃子ににじり寄る。
瑠璃子は身を硬くしながら、手摺りに後退る。
「…大好きなんだ。瑠璃子ちゃん…。
僕と付き合って欲しい。
僕は君を幸せにする自信がある。
君がしたいことは何でもさせてあげる。
バレエだって何だって…。
…君のおうちは名家だろう?
そのおうちのお嬢さんに相応しい夫になる自信がある。
君を一生豊かに美しく輝かせることを約束する。
絶対に、後悔はさせない。
…だから…」
…財前の甘いマスクが目前に迫った瞬間、瑠璃子は渾身の力を振り絞り、財前の股間を蹴りつけた。
「痛ッ!」
蹲る財前に、憤然と仁王立ちになる。
「ふざけないで!
幸せにする自信があるって何⁈
私の幸せは私が決めるよ!
私の幸せは…涼ちゃんと一緒に生きることなの!
…涼ちゃんは…私に生きる希望をくれたの!生きる強さをくれたの!
人生をくれたの!
何をしたらいいのか、生きる目的を見失っていた私に…あの海賊みたいな大きな手が私を引き上げてくれたの!
…暗い暗い海の底みたいな場所から…明るくて暖かい…眩しい場所に!
そんなことも知らないで…思い上がらないで!」
「…瑠璃子ちゃん…」
茫然と見上げる財前に、瑠璃子は毅然として言い放った。
「私は涼ちゃんのお嫁様になるの。
それが私の幸せなの」
そうしてそのまま一度も振り返ることなく、甲板を後にしたのだった。
あれから三年経ったけれど、未だに君以上に心惹かれるひとには出逢えない。
何人かの女性とお付き合いしたけれど、すぐに虚しくなって別れてしまったよ。
…君みたいに見ているだけで心のすべてが奪われてしまうような…美しくてきらきらしていて…それでいて激しくて…そんなひとに、出逢えなかったんだ」
「……」
財前がうっとりしたような表情で、瑠璃子ににじり寄る。
瑠璃子は身を硬くしながら、手摺りに後退る。
「…大好きなんだ。瑠璃子ちゃん…。
僕と付き合って欲しい。
僕は君を幸せにする自信がある。
君がしたいことは何でもさせてあげる。
バレエだって何だって…。
…君のおうちは名家だろう?
そのおうちのお嬢さんに相応しい夫になる自信がある。
君を一生豊かに美しく輝かせることを約束する。
絶対に、後悔はさせない。
…だから…」
…財前の甘いマスクが目前に迫った瞬間、瑠璃子は渾身の力を振り絞り、財前の股間を蹴りつけた。
「痛ッ!」
蹲る財前に、憤然と仁王立ちになる。
「ふざけないで!
幸せにする自信があるって何⁈
私の幸せは私が決めるよ!
私の幸せは…涼ちゃんと一緒に生きることなの!
…涼ちゃんは…私に生きる希望をくれたの!生きる強さをくれたの!
人生をくれたの!
何をしたらいいのか、生きる目的を見失っていた私に…あの海賊みたいな大きな手が私を引き上げてくれたの!
…暗い暗い海の底みたいな場所から…明るくて暖かい…眩しい場所に!
そんなことも知らないで…思い上がらないで!」
「…瑠璃子ちゃん…」
茫然と見上げる財前に、瑠璃子は毅然として言い放った。
「私は涼ちゃんのお嫁様になるの。
それが私の幸せなの」
そうしてそのまま一度も振り返ることなく、甲板を後にしたのだった。