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恋する真珠
第2章 恋するカナリア
「…私と、セックスして…」
涼太の腕がびくりと震え、瑠璃子を突き放すように身体が離された。
「何を言ってんだ。女の子がそんな言葉を…」
「何がいけないの?
好きなひとと…愛しているひととセックスしたいと思って何がいけないの?」
「瑠璃子…」
涼太が苦しげに息を吐く。
「あと一年待つことに何か意味はあるの?
…私、早く涼ちゃんの恋人だって堂々と言いたい。
ううん。…涼ちゃんの身体のすべてを知り尽くしたい。ひとつになりたい。
…そうじゃなきゃ、私…」

…瑠璃子はきらりと光る美しい眼差しで涼太を挑発的に見据えた。
「…私、涼ちゃん以外のひととセックスしてみる」
涼太の鋭い眼差しがはっと見開かれる。
「何を…!」
「だって、涼ちゃんがしてくれないんだから仕方ないよね。
他の人にしてもらう。
それでセックスが本当に大切にするべきものなのか試してみる。
…もしかしたら、すごくよくてそのひとを好きになっちゃうかもね。
そうなっても知らないからね」
捨て台詞のような言葉を吐いて、瑠璃子は踵を返した。

「瑠璃子!」
…行こうとするその腕を悲鳴が出るほどに強く捕まれる。
咄嗟に見上げた涼太の瞳には、息を呑むほどの怒りと…それ以上の熱く激しい情愛が見て取れた。

「…俺を試したな…?この跳ねっ返りのお転婆め。
どうなるか…覚悟しとけ」
「涼ちゃ…んんっ…」

名前を呼ぶ柔らかな桜色の唇は有無を言わさずに塞がれ、噛みつかれるように激しく奪われた。
「…んんっ…あ…ああ…んっ」
暴れてもがくその身体ごと、涼太は軽々と抱き上げ、そのまま離れの仄暗い廊下を歩んでいった。
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